各種世論調査の結果では、「女性天皇」への
支持が約7~9割もの高い水準を、常に維持している。
これは、現代の普遍的な価値観に照らして当然であるだけでなく、
側室不在で非嫡出・非嫡系による継承可能性が否定された、
“前例の無い”条件下において皇位の安定継承を目指す場合、
至って理性的な判断でもある。政府自身も、そのことはとっくに理解している。
にも拘らず、いつまでも女性天皇を容認する
制度改正に手を着けようとしない。
これは何故か。政治家の「世間」の“空気”がおかしい
国会議員の多くが皇位継承の危機に無関心である一方、
頑固な「男系男子」維持派が一定数いて、声の大きな彼らが
政治家の「世間」の(論理以前の)“空気”を、女性天皇を排除する
(ないし「触らぬ神に祟りなし」的な)方向に引っ張っている為だ。
今回の参院選の候補者アンケートの結果を見ても、
女性天皇に明確に「反対」という回答は限られている。それに対して、「どちらとも言えない」「未回答」の割合が
非常に多いのも、そうした「空気」感をよく示している。
メディアの論調は、(一部を除き)しばしば女性天皇に肯定的だが、
その政治家「世間」の“思考停止”的なムードを覆すには至っていない。
だから、皇位の安定継承への制度改正を阻んでいる、
彼らの「世間」の“空気”を、国民が力を合わせて揺さぶる必要がある。個別アプローチで“空気”を揺るがす
その為には、選挙期間中という絶好のタイミングを活かして、
個別の政治家(又はその関係者)の目の前に“1人の国民”
として姿を示し、直接、女性天皇(具体的には「愛子天皇」)を
可能にする制度改正への取り組みを求めることが、極めて有効だ。顔を合わせ、名刺を手渡すなど、自らの本名・責任を明らかにして
要請するからこそ、メディアや匿名の投書などとは違う、
独自の迫力と説得力が生まれる。“バーチャル”な「空気」に、国民の生(なま)の声や
手書きのメッセージによる個別アプローチという
“リアル”で対抗する-という構図になる。参院選後には、“見当外れ”な政府案を軸とした、
皇室制度を巡る具体的な検討が始まるはず。
だからどうしても、この唯一無二の機会を見逃すわけにはいかない。
本気で皇室の存続を願う国民は、参院選の候補者
(取り分け当選の可能性が高い候補者)又はその関係者に、
どうか勇気を奮って自身の思いを直接、伝えて欲しい。口頭では「皇統」という言葉が通じないケースも
なお念の為に付言すれば、自分の意思を伝える場合、
限られた時間の中でなるべく相手が理解しやすい
言葉を使う配慮が必要だ。
勿論ケースバイケースながら、例えば「皇統問題」
と言っても、口頭では「コートー(高等・喉頭・荒唐〔無稽〕・こうとう…)?」
となって、初っぱなから通じない可能性がある。私自身、自民党の国会議員の勉強会に招かれてレクチャーした時に、
「“男系”より上位の概念は“皇統”」と説明すると、
一瞬戸惑った表情を見せた議員が何人もいた。政治家なのに、恐らく皇室典範“第1条”すら読んだことが無いのだろう。
従って、皇位継承問題、皇位の安定継承への取り組み…などと言い換えるか、
あるいはそうした概括的な言葉自体を避けて、愛子天皇、女性宮家
といった具体的な言葉を主に使う、などの工夫が必要かも知れない。「双系」という言葉など、(元々、学術用語なので)
恐らくもっと分からないだろう。
逆に、もし既にちゃんとこの言葉が分かっていたら、
先刻かなり関心を持ち、勉強もしている証拠なので、
その相手には改めて要請する必要がないとも言える
(しかし、それでも“背中を押す為”には必要であり有効だろう)。サイト「愛子天皇への道」に報告されている候補者への
アプローチの数は、27日18時半現在の集計で
既に23都道府県、82件となっている。いつも候補者への手紙を用意しておられたり、
政党の党首が街頭演説をするスケジュールを予め把握して、
本人に直接会って意思を伝えられたり、
報告者の熱意と真剣さに頭が下がる。【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/
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